フィルムコーティングのスケールアップと技術移管のために
2018年11月24日
フィルムコーティングプロセスは、素錠の特性、コーティングシステム、プロセスや装置などが複雑に関係し、そのバランスにより成り立っています。開発段階において、ベンチスケールやラボスケールでは、ほとんどの場合問題なくコーティングされる可能性がありますが、問題が発生するのはスケールアップもしくは技術移管された時なのです。
フィルムコーティングのスケールアップと技術移管
製造業者にとっての多くの課題は、コーテイングの品質を維持しながら、異なったコーティング装置にスケールアップをすることです。開発の早い段階で予測されなかった問題が、現実の環境で明らかになることはよくあります。
技術移管やスケールアップは、すでに最適化され、開発されたプロセスをさまざまな機器の種類やサイズに移管することを含みます。場合によっては、製造現場や特定の機器に固有のパラメータをさらに最適化する必要があります。
これは、設備をリプレイスする際にも発生する可能性があります。 古いプロセスや機器が改良されると、コーティングパラメータが変わることは珍しいことではなく、従来型コーター(ソリッドパン)から 穴あきパン(オートコーター)に移行するときや、バッチコーティング から、大規模な連続コーティング、または、半連続コーティング装置へ移管する場合などにも起こります。
フィルムコーティングの重要なプロセスパラメーターの確認
コーティングプロセスと錠剤の品質の両方に影響を及ぼす変動要因はいくつかあり、それらはしばしば相互に依存します。スケールアップの際には、すべての主要なパラメーターを特定する必要があるでしょう。目的とするところは、要求される品質と機能性を、望ましいスケールで達成するために各パラメーターの重要性を理解することです。
これらの重要なパラメータは、許容できる時間とコストの制約内で最適な製品が得られるように最終プロセスを決定し、日常的に制御できる必要があります。
実験計画法(DoE)及びクオリティ・バイ・デザイン(QbD)の活用
どのプロセスパラメータが重要であるか、わかりますか?DoEスタディをデザインすることにより、いくつかの潜在的な要因を変数として、他を実験的な定数として割り当てることによって重要なプロセスパラメーターを特定することが可能です。どのパラメータが変数でどれが定数であるかを選択することは、それらがお互いに相関を持っていることから複雑になります。その選択は、十分に検討されたプロセスの理解と事前の知識に基づくものです。
カラコンでは、QbDのアプローチを用いて重要なコーティングパラメータについて複数の検討を実施し、すべてのコーティングシステムに対し品質に影響を与える重要なパラメーターの特定と評価を行いました。(1) Influence of Coating Process Parameters | Influence of High Solids| Continuous Coating Parameters Influence
コーティングのスケールアップ時のリスク低減
カラコンは、上記のような研究に基づいて、さまざまな製造スケールでの当社の製品を使用するためのガイドラインと重要なパラメータを提供する資料を用意しました。これらは、異なるスケールの装置にわたり、関連する機器設定とパラメータを含む便利なリファレンスをお客様に提供いたします。
(View sample Colorcon parameter sheets: Opadry® QX Coating Parameters | Opadry® II Coating Parameters - Pigmented (PVA-based) Formulations.)
技術移管達成=正しいパラメーターの選択
完璧な仕上がりの錠剤を得るには、正しいプロセスパラメーターとコーティング処方を確実に選択することが必要となります。
カラコンのエキスパートは、複雑なスケールアップや機器の新設もしくは、他の機器への変更、製造所の変更などの技術移管を解決するための専門知識を提供することができています。
コーティングプロセスのスケールアップと技術移管の簡素化に関するお問い合わせについてはこちらからお願いします。
適切なコーティングシステムの選択
オパドライ QXは、最新のカラコンの技術により開発されたコーテイングシステムです。広範囲のプロセス変数に渡って使いやすいことが証明されているため、技術移管とスケールアップを簡素化します。多くのコーティングシステムは狭い操作範囲を必要としますが、 オパドライ QXは、より広い許容範囲での操作が可能です。加えてパラメーターの変動においても寛容で優れた生産性とコーティングの品質を常に提供します。