素錠用賦形剤: なぜ医薬品製剤に重要か
2023年1月20日
経口固形製剤では、素錠の賦形剤の選択は非常に重要です。これらは、物理化学的に安定した医薬品の開発を実現し、溶解性の向上や薬物放出プロファイルの制御を可能にして、医薬品製剤をより効果的にすることができます。
今回は、素錠用賦形剤の概要と、それらがなぜ医薬品製剤に重要となるかについてご説明します。また、カプセルや錠剤の賦形剤による解決策の選択肢についてもご紹介します。
カラコンは60年以上の医薬品賦形剤の実績があります。賦形剤による解決策にご興味があればご相談ください。また、医薬品賦形剤製品についてもご参照ください。
賦形剤とは?
経口用賦形剤は、医薬品の有効成分(API)を体内に送達するための媒体として働く不活性物質です。賦形剤成分は製剤中の不活性な部分ではありますが、大切な機能も持っています。例えば、素錠中の成分としては結合剤、滑沢剤および充填剤/希釈剤として働き、フィルムコーティングの成分としては錠剤の保護や、ブランド化およびその認知向上のための着色も可能です。
医薬品の錠剤コーティングは、有効成分を保護して製剤の安定性を向上させたり、薬物送達システムとしても使われます。賦形剤に直接的な治療上の効果はありませんが、有効成分の製造性、安定性、及び薬物送達における弱点の改善に役立つことができます。
賦形剤は医薬品以外にも、サプリメント、栄養補助食品および動物の健康補助食品など、多くの用途で使用されます。また、多くの種類の賦形剤があり、結合剤、着色剤や溶剤などがあります。ここでは、素錠用賦形剤は経口固形製剤用として想定します。
素錠用賦形剤とは?
素錠用賦形剤は、有効成分を送達する主な媒体です。私たちは製剤中の有効成分のみに注目しがちですが、素錠の賦形剤は製剤の製造上のプロセスや、有効成分の治療効果を発揮するうえで不可欠です。
素錠用賦形剤の利点
医薬品製剤では、素錠用賦形剤が重要とされる主な利点は3つあります。
薬物吸収
医薬品賦形剤は、薬物の吸収を向上させることができます。例えば、水に溶けにくい有効成分がありますが、素錠用賦形剤で溶解性を改善することができます。その他の例では、脂質ベースの賦形剤は胆汁酸および膵液分泌を刺激しますが、体内の生理的プロセスに影響を及ぼすことによって、薬物の吸収を向上させることができます。
薬物送達(薬物速度制御)
その他の素錠用賦形剤の利点として、薬物速度すなわち体内での薬物送達の制御ができることです。例えば放出制御ポリマーを使って、持続性(SR)、遅延性(DR)あるいは徐放性(ER)などの薬物放出制御(MR)が可能になります。また、体内の特定の組織を標的とした放出制御製剤の開発に役立つこともあります。
有効成分が治療効果を発揮するために必要な、予定通りの時間に予定通りの体内組織に到達することを賦形剤が可能にします。品質に一貫性のない賦形剤が製剤中に含まれる場合、適切な成分と投与量であっても治療効果が出ないことがあります。場合によっては、患者さんに有害となることもあります。
製剤安定性
最後に、医薬品賦形剤は製剤の安定性向上にも役立ちます。カラコンの製品開発グループを率いるチーフサイエンティフィックオフィサーで、医薬品賦形剤のエキスパートでもあるAli Rajabi-Siahboomi博士は、素錠用賦形剤の機能について以下のように述べています。
- 有効成分の分解を防止する
- 抗酸化剤の使用を低減できる
- キレート剤を介した酸化を誘導する金属イオンを封入する
- 誤った賦形剤の選択は、分解をかえって促進する場合があるので注意すること
これらは、適切な素錠用賦形剤の選択がいかに重要かを示しています。
カラコンの賦形剤による解決策
さらに詳しい情報は、60年以上にわたり素錠用賦形剤に実績があるカラコンにご相談ください。医薬品賦形剤のリーディングカンパニーの1社として、賦形剤による解決策を世界中にご提案しています。
カラコンの幅広い医薬品賦形剤の知識と実績に基づく、それぞれのニーズに対応する解決策によって、最終製品の安定した製造に加えて、製剤開発のタイムライン短縮も期待できます。
錠剤やカプセル剤用賦形剤についての詳しい情報は、カラコンにお問い合わせください。または、下記の製品ページをご覧ください: